娘は、現在4歳。
4歳の平均身長よりも大きめ。
だから、なかなか最近では抱っこというのも一苦労。
親は親とて、鍛え上げた体でもないからに。
それでも、やっぱり、4歳にして抱っこは、頻繁にねだられる。

「抱っこ券」がないとダメだからね。
というと、すかさず、紙の切れ端に「抱っこ券」を作ってくる。
後ろにはパパの「偽造」サイン入り。実に凝っている。

「はい、抱っこ券でーす」
渡されれば、そりゃ、従うしかない。
「何分抱っこ券ですか?」
「1分。」
「え、1分でいいの?」
「うん!」
きっと、僕とか嫁とかが普段、抱っこするときに「1分だけね」と口ぐせのように言っているからだろう。
ちゃんと、「抱っこ券」に「1ふん」って書いてある。

それで、1分だけ抱っこして、娘は満足そうでした、

という話で終わるのなら、子育ては単純だが、
その「1分」を、何度も何度も繰り返されるうちに、
さすがに、腰も、悲鳴をあげて、

そのうち、やさしさを気取っていたパパも、走って逃げ出すのでした。